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■ネクタイの発祥 |
ネクタイの発祥には色々な説がある。
2世紀初頭、「ローマ帝国の兵士が防寒具として首に巻いたウールの布」が"ネクタイの起源"であり、それをクロアチア人が引き継いだと云う説や、17世紀、クロアチアのある若者が30年戦争に出征したとき、恋人の女性が無事を祈って、自分のかぶっていたスカーフを首に巻いたのが始まりと云う説。
まぁ、どちらにしろ本格的に広まったのは、17世紀のフランスはルイ14世の時代である。
王に仕えるためクロアチアから派遣されてきた兵士全員の首に巻かれていた布を見たパリっ子達が、早速それを真似て作り、たちまちパリで大流行したと云われる。
フランスの皇帝ルイ14世(バロック時代の太陽王=1638 〜1715)が、大変気に入り全面的に取り入れ宮廷ファッションとして奨励、ネクタイの定着の道を開いたと云われている。 |
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■ネクタイの呼称 |
このネクタイ(necktie、tie)という呼び方だが、世界の国々での呼ばれ方としては、少数派。
アメリカやイギリス、日本以外の大多数の国々では、下記の表のように「クラヴァット」と呼ばれている。このクラヴァットは、クロアチアを指すフランス語「クロアット=croate」からという説があり、これからもネクタイの発祥にクロアチアが大きく関わっていることが伺われる。
●各国のネクタイの呼称 |
フランス |
クラヴァット
= cravate |
スペイン |
コルバータ
= corbata |
イタリア |
クラヴァッタ
= cravatta
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ポルトガル |
クラヴァータ
= gravata |
ドイツ |
クラヴァッテ
= krawatte
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ポーランド |
クラヴァット
= krawat |
ちなみに、クロアチアでは、“ネクタイ発祥の地”ということで、お土産物屋では、数多くのネクタイがお土産として売られている。 |
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■ネクタイの日本伝来 |
日本にネクタイが伝えられたのは、18世紀頃といわれている。伝えたのは、中浜万次郎ことジョン万次郎。もちろん日本人として初めてネクタイを着用したのもこの人。
彼は、もともとは土佐国の漁夫の息子であったが、15歳の時1841年(天保12年)に鰹漁の際に遭難し、アメリカの捕鯨船に救助されて、アメリカ本土で英語の勉強をしたり、遠洋航海船で働いたのち1851年(嘉永4年)に帰国し、幕府の通訳として活躍した。アメリカから帰国した時の所持品目録に「白鹿襟飾三個」と有り、まぎれもなくネクタイを着用していたことを伺わせる。 |
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